【コラム】『芸能人の福祉』安井飛鳥弁護士


2017年5月27日

ERA共同代表理事の安井です。今回はまず所信表明も兼ねて自己紹介をさせて頂きたいと思います。

私は弁護士という法律の専門職であるとともに社会福祉士・精神保健福祉士という福祉の専門職でもあります。日頃は子どもや障害者といった社会的に立場の弱い方に対して法律と福祉双方の観点から相談援助業務を行っています。

芸能人と福祉と言われると一見すれば関係が薄いように聞こえるかもしれません。しかし、芸能人の方はその仕事内容や立場の特殊性から悩みや困りごとを他人に相談することができずに抱え込んでしまうことが少なくないと考えています。そうした悩みや困りごとが積み重なったことでうつ病等になり健康を害してしまったり、果ては自殺や薬物使用等の依存症に発展してしまったりするリスクがあります。昔から著名な芸能人の方の自殺や薬物使用の報道は後を絶ちません。私は、福祉の専門家の観点からこうした芸能人の方々の生活や心の悩みの解決をお手伝いできるような取組をしていきたいです。

私がERAの取組の中でもうひとつ注力をしていきたいと思っている子どもの芸能人の権利保障です。今も昔もアイドルやアーティストは子ども達の憧れであり、自身もプロとしてデビューしたいという夢を抱く子どもは少なくありません。近年ではメディアの発展に伴いアイドルやアーティスト活動も多様化しており、昔に比べても若年の中高生がアイドルやアーティストにデビューするハードルは下がってきているといえるでしょう。

しかしながら、一方でこうした子ども達の夢につけ込み食い物にするような悪質事務所も散見されるようになりました。私が実際に相談を受けたケースにも芸能事務所としての活動実態がないにも関わらず不相応に高額な費用を請求するような詐欺的事務所のケースがありました。また、芸能人の仕事と称して違法な性風俗のような仕事を本人の意に反して行わせていたとして芸能事務所の社長が逮捕されるといった事件報道もされています。私は、芸能人になりたいという夢を抱く子ども達の夢を叶えるお手伝いをするとともに、こうした悪質な業者被害を防いでいけるような取組を行っていきたいです。

まだまだ歩み始めたばかりの当協会ですが、今後とも当協会の活動をご支援ご支持頂ければ幸いです。よろしくお願いします。 

P.S 余談になりますが私は重度のアニメや声優オタクでもあり、毎クールのアニメを欠かさずチェックする他、声優ライブ等にもよく参加しています。アニメという日本が誇る素晴らしいコンテンツに息を吹き込むことができる声優やアニソンアーティストさん達を応援していけるような取組も展開していきたいという思いです。 

代表理事 弁護士・社会福祉士・精神保健福祉士 安井飛鳥