【コラム】セカンドキャリアの危険性と支援の必要性(3)桑原みずきパートナー


2017年7月12日

6月9日に都内で行われた日本エンターテイナーライツ協会の記者会見で一緒させていただいた音楽家のしほりさん、俳優の今野さんのお話も、共感するところが多々ありました。

記者会見でお話されていたのは、監禁して外部に相談させないようにする、芝居の為にと体の関係を強要される等…記者会見以外でもお二人とお話させていただいて、初対面にも関わらず同じように思っている人がいるんだと、とても話し合う事柄が多かったです。

その中にも、タレント側、役者側がしっかりしていないゆえに起こる問題もあります。 私も舞台をプロデュースしていますが、非常識なタレントをたくさん見て来ました。 どこの業界でも、下がしっかりしていないから使いづらい上の人もいると思います。

弁護士の先生方にも問題を共有して、タレントにも常識を身につけさせることが大切だと思います。

このように明るみには出ない、一般の方々にはほぼ知られていないようなところで、問題がたくさん生じているのが事実です。

アイドルファン?からの否定的な意見も目にしました。 どこかのコメントに書き込んでいるだけの人たちですが、その人たちに向けた団体ではないし、皆さんが知らないところで困っている、辛い思いをしているタレントを助けられる団体をみんなで目指しています。

しほりさん、今野さん、弁護士の皆さんと記者会見終わりに話しましたが、あたかも批判的なコメントが多いと思ったら1人で頑張って連投している方もいらっしゃるみたいです。 今は立ち上がったばかりなので、静観していただければと思います。

弁護士の皆さんの想いも熱いですし、「相談することによって救われた」「騙されなくて済んだ」、そんな人を救える機関になるといいなと思います。 何もせずに批判をする人よりも、もしかしたら救えるかもしれないという可能性を信じて何かを始める、行動する人たちの方が素敵だなと思います。

そして記者会見で私が担当した内容で、セカンドキャリアへの支援がありました。 どんなセカンドキャリアを歩むにしろ、好きなこと、やりたいこと、得意なことが明確な子はしっかりと仕事を選び、芯を持って生活しています。

しかし、何となく芸能をやっていた、努力の仕方や明確な目標が曖昧な子は、とりあえず来た仕事を何でも受けて、ブレていっている気がします。自分では気づかないうちに、危ない仕事に誘われてしまう可能性もあります。

「誰かからのこの職場を紹介してもらう」だと、選択肢がなくなってしまったり、断りづらいという問題も生じてしまいます。それが本当に自分に合った環境、職場だったら良いのですが、利用される可能性もゼロではありません。

また、普通の仕事先への就職の仕方が分からない人も多いかと思います。

私は名古屋の4年制大学へ行っていましたが、3年生になると就職というルートが敷かれ、面接の練習や企業の講演会などが開催されます。廊下にも企業のパンフレットや貼り紙などが置かれ、たくさんの情報で溢れています。 芸能界にいる人にも、選択肢として就職があるというのはすごく良いことだと思います。

セカンドキャリア支援や、普通の仕事に就きたい人への就職支援、変な人から守ってくれる・相談できる団体が芸能界にできるのはとても良いことだと思うので、芸能界に特化した団体ではありますが、この業界で困っている方、怖いと思うことがある方は相談できるように体制を整えていければと思います。

桑原みずき