【声明】田中聖さんの逮捕に対するERA声明


2017年5月26日

田中聖さんの逮捕に対するERA声明

私たちは、今月24日、大麻取締法違反の嫌疑で逮捕された田中聖さんについて、各報道機関に対し、現時点で田中さんが犯人であることを前提とした報道をすることのないよう求めます。

現在、報道機関の一部では、田中さんが犯人であることを前提とした(決めつけた)報道が一部見受けられます。

しかしながら、法律上は、有罪の判決を受けるまでは「無罪」と推定され、そのように取り扱われなければなりません(推定無罪の原則)。この考え方は、報道においても変わらないと考えます。逮捕というのは、緊急性が重視されるため、逮捕を認めるか否かは、裁判手続ほど細かく審査するわけではありません。そのため、逮捕の段階でその人を「犯人」と決めつけてはいけません。

これは逮捕された人が嫌疑を認めている場合であっても嫌疑を否定している場合であっても共通したことですが、嫌疑を否定している場合についてはより慎重な配慮が求められます。報道によりますと、田中さんは、現在、嫌疑を否定しており(否認事件)、田中さんの言い分が正しいかどうかは、現時点では、わかっておりません。田中さんの言い分が正しいかどうかを判断できる唯一の権限をもつのは、本人の言い分を聞き、証拠をきちんと時間をかけて調べて判断する裁判所だけです。

したがって、有罪の判決を受けていない現段階において、田中さんを「犯人」と決めつけるかのような報道ついては、慎重であるべきと、私たちは考えます。こうした報道姿勢への配慮は一般の人が逮捕されたときであっても芸能人が逮捕されたときであっても等しく求められるべきものであると考えます。

以上から、私たちは、報道機関に対し、現時点で田中さんが犯人であることを前提とした報道をすることのないよう求めます。


2017年(平成29年)5月26日
日本エンターテイナーライツ協会 共同代表理事一同