【声明】橋爪遼さんの逮捕に対するERA声明


2017年6月4日
【橋爪遼さんの逮捕に対するERA声明】  

私たちは、平成29年6月3日、覚せい剤取締法違反の嫌疑で俳優・橋爪遼さんが逮捕されたことに関して、各報道機関に対し、現時点で橋爪遼さんが犯人であることを前提とした報道をすることのないよう求めると共に同事件に関連して俳優・橋爪功さんに対する執拗な取材・報道を控えること、薬物使用に関して慎重な報道をすることを求めます。

法律上は、有罪の判決を受けるまでは「無罪」と推定され、そのように取り扱われなければなりません(推定無罪の原則)。この考え方は、報道においても変わらないと考えます。逮捕というのは、緊急性が重視されるため、逮捕を認めるか否かは、裁判手続ほど細かく審査するわけではありません。そのため、逮捕の段階でその人を「犯人」と決めつけてはいけません。 したがって、有罪の判決を受けていない現段階において、橋爪遼さんを「犯人」と決めつけるかのような報道ついては、慎重であるべきと、私たちは考えます。

更に現在、橋爪遼さんの父親である橋爪功さんに対しても、橋爪遼さんが「犯人」であることが確定したものであるかのような前提で、執拗にコメントを求めたり責任を問いたりするような取材・報道が散見されますが、これらについても、上記と同様の理由により慎重であるべきです。

また、仮に橋爪遼さんの違法薬物使用が事実であったとしても、薬物使用に至った動機や経緯を邪推した報道をしたり本人や親族等を追い詰めるような内容で報道をしたりすることにも慎重になるべきです。  違法薬物使用は犯罪ですが、同時に専門の医療機関等で治療を行う必要がある病気でもあります。そして、治療のためには専門家の助言や身近な存在の協力が必要となります。
しかしながら、薬物使用に至った動機や経緯を邪推して安易な反省を求めたり、過剰にセンセーショナルな形で報道したりするようなことは、治療を遠ざけるだけでなく、違法薬物使用に関する誤解や偏見を強めることにもなりかねません。

なお、橋爪遼さんが「犯人」であるかどうか定かではない現時点において、橋爪遼さんの所属する芸能事務所や関連する企業等において橋爪遼さんを解雇したり、関連する仕事の契約を解除したりするようなことについても現時点では慎重になるべきと考えます。

以上から、私たちは、報道機関に対し、現時点で橋爪遼さんが犯人であることを前提とした報道を控えること、橋爪功さんに対して執拗な取材・報道を控えること、及び違法薬物使用に関しする正確な知識・理解に基づいた報道を行うことを求めます。

2017年(平成29年)6月4日
日本エンターテイナーライツ協会 共同代表理事一同