【コラム】『芸能人等実演家のセカンドキャリアの支援』向原栄大朗弁護士


2017年5月29日

ERA共同代表理事の向原です。はじめておめにかかります。というわけで、まずは自己紹介をさせて頂きたいと思います。

私は、ほかの共同代表理事の先生方とは異なり、九州は福岡の地で弁護士を開業しており、弁護士10年目です。普段は、交通事故や離婚などの個人様からの様々なご相談から、法人様からのご相談まで、幅広い法分野をカバーしております。
その中で、このERAに関与しようと考えたきっかけはいくつかありますが、私自身、メディアとのかかわりが増えてきたことが大きいです。福岡の弁護士は、東京ほど数がいないため、メディアとの距離が近く、マスメディアからの取材をされる機会が相対的に多くなりやすいと思います。

福岡にいると、芸能とは遠いのではないか?と多くの方が思われるかもしれません。しかし、実際には、福岡の人は楽しいことが好きな人の多い土地柄であり、そのせいか、伝統芸能(博多にわかなどが著名)からご当地アイドルまで、幅広い芸能活動があります。また、地域ローカルのレポーターさんやタレントさん、スポーツ選手といった方々が少なからずおられます。
しかしながら、そうした方々の多くは、いわゆるフリーランスとしての立場であることにより、会社員が労基法で保護されるのとは異なった立場にあります。他方で、表に出るお仕事であることから、何らかの保護が必要な場合においても、それを求めることができにくい立場にあるように感じます。また、福岡という土地柄、「世間が狭い」ので、いったん揉め事になると以後のこの地域における活動に悪影響が生じるのでは?という懸念が生まれやすく、結果的に、フリーランスの芸能関係者の方々にとっては、問題が起きたときに、適切な対応を得る機会を逸しがちと思われます。

また、ERAの活動の一つの柱となるのが、「芸能人等実演家のセカンドキャリアの支援」です。芸能界等は厳しい世界であり、全員がそのまま活動を続けられるわけではありません。にもかかわらず活動を続けたいあまり、甘い話にからめとられたりして何らかの法的紛争に巻き込まれてしまうということもあります。仮に、セカンドキャリアへのキャリアチェンジが容易であれば、そうした紛争に巻き込まれることを予防できる可能性があると考えます。
セカンドキャリア支援の方法については私たちも模索中ですが、法律家としてできることは多々あるものと考えております。
近年は、SNSの発達により、情報伝達速度が10年前と全く異なります。便利になりましたが、その分だけ、誤った情報やネガティブな情報の伝達というリスクも高まっています。
そのような事態に対しても、当協会は、機動的に対応することが可能です。

今後とも様々な場面で芸能人等実演家の法的支援にかかわることで、少しでもお役に立てればと考えております。どうか、よろしくお願い申し上げます。 

共同代表理事 弁護士 向原 栄大朗