【報告:愛媛ご当地アイドルの自殺訴訟】訴訟提起に至った経緯、本件裁判の概要・争点、クラウドファンディングの実施について


2018年10月11日

このたび、私たち日本エンターテイナーライツ協会(ERA)共同代表理事弁護士5名は、大本萌景(おおもとほのか)さんの自殺訴訟事件(以下「本件」といいます。)について、遺族側代理人を務めることになりました。

訴訟提起に至った経緯

私達がERAを設立して以降、特に多く接した相談が地下アイドルに関する相談でした。地下アイドルは通常の芸能人が抱える契約問題に加えて、未成年者特有の問題を多分に含んでいるため、私たちは地下アイドルの権利擁護の必要性が高いと考え「地下アイドル権利擁護プロジェクト」を立ち上げました。

地下アイドル権利擁護プロジェクトの詳細については下記参照。
http://era-japan.org/project1

私たちが地下アイドル権利擁護プロジェクトの取組みを進める中で、本件に関して萌景さんのご遺族から相談を受けました。数あるアイドルの違法労働・ハラスメント事件の中でも、自殺という最悪の結果に至ってしまったという本件の詳細を聞き、私たちは亡くなった萌景さんやご遺族の無念に心を痛めるとともに、この事件を風化させてはならない、このような悲劇を二度と繰り返してはならないという想いを強く抱きました。そして、ERAとしてご遺族の無念に応えるとともに、現在も困難な状況に置かれている地下アイドルのより良い環境を守っていくために、司法判断を目指して本件に関する裁判の代理人を務めていくことになりました。

本件裁判の概要、争点

本裁判では、芸能事務所における未成年者の芸能人に対する違法労働ハラスメント問題芸能人の健全な成長発達権学習権保障との両立について正面から問うていきます。

現在、被告側からも反論のコメントが出されているように、今後、裁判では事実関係の有無や評価についても争われていくことが予想されます。詳細につきましては、裁判の動向とあわせて裁判の場で出された書面・証拠をもとに順次、発信していきます。

クラウドファンディングの実施について

本件裁判については依頼者であるご遺族の資力が十分でないことや、公益的な目的から支援をしていく必要性が高いと考えたことから、私たちは着手金や実費等の費用をもらわず、各弁護士の持ち出しで対応をしています。

今後、訴訟活動が本格化することで各種書面の印刷費や愛媛への往復交通費、調査費用等、多額の費用を要することが見込まれることから、公益的な目的を果たしつつ持続的かつ充実した訴訟活動を実施するために、ご遺族と協議のうえクラウドファンディングを実施することにしました。

裁判資金調達のためにクラウドファンディングを利用することは日本ではまだ馴染みがないことですが、本件のような社会的意義ある事件を泣き寝入りさせることがないようにするためにも積極的に活用が検討されるべきものだと考えています。

ご支援頂いた資金につきましては適切に管理運営のうえ、都度、使途、決済状況を公開してご報告させて頂きます。
https://legalfunding.jp/project/1

最後に

近年、地下アイドル産業が活発化してアイドルへの参入障壁を下げ、多種多様な活躍の機会の提供することになり、芸能に憧れる子ども・若者達の夢を叶えていることにもつながっていることもまた事実です。本件においても萌景さんもアイドルに憧れ、アイドルを夢見ていた若者のひとりでした。

私たちが目指すのは地下アイドル産業の規制や撲滅ではなく、地下アイドルを目指す子ども・若者が安心して安全に働いていけるような環境構築です。そのためには、私たちだけではなく、広く業界や各行政省庁を横断して意見を交わしていく必要があります。本件をこの事件限りで終わらせないようにするためにも今後も広く意見を求め、調査・研究・提言を実施してより良いルールメイキングに尽力していきたいと思います。

今後とも私達の活動にご理解、ご支援のほどよろしくお願いします。