【コラム】『色恋営業と恋愛』今野悠夫パートナー


2017年7月26日

色恋営業と恋愛

『映画の役欲しくないの?』

『僕と寝ると芝居が上手くなるよ』

『売れている女優はみんなやっている』

僕の周りの女優さんが実際に体の関係を迫られた時に言われた言葉たちです。

『こう言われたんですけどどうすればいいのかわからなくて』

と僕に相談してきます。

僕は 『やめときなさい。せめてやるなら後払いにしてもらいなさい』 しか言いません。 別にそれでのし上がりウィンウィンの関係になるのでしたらどうぞご自由にです。(不倫は論外ですが)ただ、その人がせめて一人でも成功させているのか?誰も売った実績が無いのに何故それを自信満々に伝えてくるのか疑問に持つべきです。 一度相談を受けた時に相手方と話をしに行った事があります。

僕は 『彼女を抱いた後にどういう手順をいつまでに踏んでどうプロモーションをかけるおつもりですか?過去の貴方の手腕で売った時のプロセスもお聞かせください』 と聞きました。
まぁ案の定答える事は出来ませんでしたが。

敢えて断言しておきます。

この手法で成功しません

人によって成功の形は様々あれど周囲の喜びが得られない成功はこの仕事において成功とは呼べないと思います。

一人の女優の話をします。ある監督と上記の言葉を並べたてられ不幸にも関係を持ってしまいました。その結果、役を得る事が出来ました。芝居は上手くなってはいませんが。その当時周りにいた他の役者達はそのことを知っていて彼女は当然孤立をしました。その女優はその監督と真剣に恋愛をしている、私の才能に惚れたんだと強がる様になってしまったのです。

その監督は既婚者なのに。

芝居という作業は一人では決して出来ません

周りから『この人は売れて当然』『売れてくれて嬉しい』こう思われないとどの芝居場に行っても本人はずっと苦しむ事になります。

上のようなことを言われた女優の方々、どうか思い出して欲しいのです。

貴女は誰かに頼まれて女優をやっているのですか?
自分がやりたい、憧れた女優はそれをする事で近づけますか?
自分の子供が産まれた時にそれをやって欲しいですか?貴女のお母さんはどういう答えを出すだろうか?

余談ですが、僕がピチピチの10代の頃、ルックスがまだ良かった頃ですね笑 妙齢の女性プロデューサーの方からお誘いをしていただいた事があります。 『僕性行為下手なのでそこで勝負すると僕は他の役者に勝てる気しないので出来たらお芝居で勝負したいです』 って答えたら笑って抱く気もしなくなったって言ってもらえて事なきを得ました。

仕事も貰えませんでしたけどね。

ユーモアを大事に生きていこうと思った20年前の出来事です。

パートナー 今野 悠夫